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Diego Barber / The Choice

2011/05/21(土) 10:44:18 新譜 THEME:JAZZ (ジャンル : 音楽 EDIT
Diego Barber / The Choice

Diego Barber(Ac-G)
Seamus Blake(Ts)
Larry Grenadier(B)
Ari Hoenig(Ds)
Mark Turner(Ts)
Johannes Weidenmueller(B)
Rec. June, 2010, NY
(Sunnyside SSC1272)

Flyのマーク・ターナー、ラリー・グレナディア、ジェフ・バラードがバックを務めていた前作「Diego Barber/Calima(09年)」は、買おうかどうしようかと迷ったあげくとうとう買わなかったディエゴ・バーバーだけど、本作ではドラムスがアリ・ホーニッグに代わっているのですぐに飛びついた。まあバラードも充分に素晴らしいドラマーなのだが、前作はFlyの「Fly/Sky & Country(09年、別頁あり)」と同時期のリリースだったので、予算的な関係で見送っている。本作にはホーニッグ、前作から引き続きのターナー、グレナディアの他に、シーマス・ブレイクとヨハネス・ヴァイデンミューラー(ケニー・ワーナーのライブ盤三部作「Kenny Werner/Form and Fantasy(01年)」「同/Beat Degeneration(02年)」「Kenny Werner Trio/Peace(05年、別頁あり)」や「Ari Hoenig/Inversations(07年、別頁あり)」で、わたし的にはお馴染)も参加しているのだが、ジャケットの表に名前が書かれているだけで、他には曲名と録音年月以外は一切のクレジットがないので(これだけ最低限の事柄しか記されていないと、むしろ潔さを感じる)、誰が何曲目に参加しているのか、これはいいブラインドフォールド・テストになりそうだね。今回が初聴きのバーバーは本人のサイトが見つかったので、経歴等は後で読んでおくとしよう。

全9曲がバーバーのオリジナルのようだ。
アール・クルーのコンテンポラリー・ジャズ版とでもいえば分かりやすいかな。雰囲気としては悪くはないのだが、バーバーは1、2曲目では終始クラシックギター調にアルペジオを弾いていて、アドリブらしきものはほとんどとっていないので(というかアドリブもアルペジオになっている)、その辺にはアプローチ的なもの足りなさを感じる。3曲目にしてようやくまともなアドリブをとっているけれど、さすがにこのメンバーとやれるだけあって、そのテクニックはなかなか素晴らしいものを持っているね。ただし自らが進んで前面に出てくる性格ではないのか、ブレイク(だと思う)にあっさりと主役の座を明け渡しているのには、やはりもの足りなさを感じてしまう。その代りにブレイクやホーニッグが大張り切りしているので、バンドとしては成立しているけれど、ギタリストでこれだけワンマン性を感じないアルバムというのもなんか珍しいような気がするね。でも4曲曲5曲目と聴き進むにつれて次第にギターの見せ場が多くなっているし(それどころか7曲目から9曲目までは、「Sonata Banc D'Arguin」と題した22分にも及ぶギターソロの3連チャンで腹いっぱいになる)、楽曲は思っていた以上に動的な曲が多いし、バックの面々のプレイを聴いているだけでも充分に楽しめるので、これでよしとしておこう。特にお目当てだったホーニッグが、普段よりもフュージョン寄りのドラミングで(楽器の音色もそんな感じ)、大いに楽しませてくれる。他のメンバーは、誰が何曲目に参加しているのかを言い当てるのは非常に難しいのだが、おそらくアドリブで細かいフレーズを吹いているのがブレイクなのは間違いないだろう。ベースの方はというと、ヴァイデンミューラーは限られたアルバムでしか聴いたことがない私としてはもうお手上げ。ベースにしてもサックスにしても楽器の音色が完全に統一されているので、なおさら奏者の違いが分からなくなっている。楽曲としてはファンク調のものが、途中から4ビートにチェンジする3曲目(ドラムソロもあり)が最高に気に入った。
クラシックギターによるジャズ的な演奏には滅多にお目にかかることがないので(アルバムを通してというのは、いいとこラルフ・タウナーぐらいかな。あとパット・メセニーの新作「Pat Metheny / What's It All About」もアコギでのソロアルバムのようだ)、それなりに新鮮な気分を味わうことができた。ただし録音はギターとベース以外の音が奥まって聴こえるのがいささか残念。おそらくギターに合わせてのミキシングだと思うけど、サックスとドラムスにももう少し立体感を持たせて欲しかった。それと再生レベル(ボリューム)が低いのも気になるね。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


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